京町家の魅力
京町家の表情
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鍾馗さん大集合















犬矢来(いぬ やらい)
雨水や泥のはね返りで傷みやすい町家の外壁や塀のすそを、保護するための垣をいう。さまざまな素材を組み、庇から通 りに張りだすように作られる。竹製のものを「竹矢来」と呼ぶ。泥よけの目的だけでなく、町家の外観をかざるデザインとしてもとらえられ、高さや素材、形を町内で統一していたところもあった。

おくどさん
現在でいう台所、かまどのこと。走り庭に、内井戸、流し、戸棚などと縦一列に並んでいる。その高い吹き抜けの天井には、煙を出すための高窓や天窓が多く見られ、採光の役割も。京のおくどさんには、火の神様として親しまれている愛宕神社の「火迺要慎」のお札が貼られている。

階段箪笥(かいだんだんす)
階段下の空間を収納スペースとして、踏み板の下に引き出しや棚が作られたもの。階段と箪笥がまさにひとつになっているので、この名前がついた。箱を重ねているようにも見えることから、「箱段」とも呼ばれる。狭い町家の空間をうまく利用している機能性と、美しいデザインが見事に調和している。

瓦屋根(かわらやね)
京都はかつて、一面に瓦屋根の広がる美しい町だった。阪神大震災で瓦屋根は非難をあびたが、家屋がしっかりしていれば、その耐久性や防火性は疑いようがない。最近は瓦を葺く家も少なくなったが、この美しい景観は後世に残したいものだ。

格子(こうし)
繊細な作りと美しい紅殻(べんがら)色が風情をかもしだす格子。風通しや採光だけでなく、はっきりと遮断しないで区切っているために外がよく見え、防犯の役割もになう。京格子は大きく台格子、平格子、出格子などがある。祇園祭や地蔵盆といったハレの日には外され、内が開放されるようになっている。

駒寄せ(こまよせ)
表通りに面した町家にある木の柵のことで、素材や組み方はさまざま。もとは駒という字が表わすように、荷を運ぶための馬をつなぎ止めておくためのもので、格子に傷がつくことを防ぐという機能も果 たしていた。また、軒下に他人を入れないための、一種の結界装置のような意味もあった。他にも、大切な家の柱や壁を守るための「犬矢来」や「つばどめ」などがある。

鍾馗さん(しょうきさん)
瓦で作られた魔除けの置物。ちょうど玄関の上で一階の屋根、虫籠窓の前に置かれていることが多い。中国の唐の時代、玄宗皇帝の夢の中で鍾馗が小鬼を追い払ったという伝承にもとづいている。また江戸時代では、通 りをへだてた向かい側の家にある鬼瓦の払った邪気が、こちらにくることを防ぐためともいわれる。

坪庭つぼにわ)
町家の中に作られた庭のこと。鑑賞用としての「見る空間」としてももちろんだが、光をとり入れたり、風の通 りをよくする面で非常に重要とされる。特に夏の打ち水は、表通りにすることで風が発生し、それが通 り庭から坪庭に抜け、京都独特の蒸し暑さをしのぐ知恵とされる。家が密集し、間口の狭い「鰻の寝床」といわれる京町家にとって、その役割は大きい。

通り庭(とおりにわ)
京町家特有の「鰻の寝床」という構造から生まれた、表と裏をつなぐ土間のこと。玄関の表から順に、見世庭、玄関庭、走り庭と呼ばれ、走り庭は現在でいう台所にあたり、かつて「ハシリ」と呼ばれていた。通 り庭が町家を縦につらぬくことで、風の通り道になったり、採光などの役割を果 たしている。

ばったり床几(しょうぎ)

町家の正面に備えつけられた縁台のこと。家の格子にとりつけられ、必要のないときは折りたたんで立てかけ、収納できるようになっている。昼にはここに商品をならべて商売し、夜になるとしまう。手軽に出したり片付けたりできるので、地蔵盆のときや、夕涼みの腰かけとして親しまれてきた。倒してたたむときの擬音からの名前で、京町家の特徴のひとつ。

虫籠窓(むしこまど)
見た目が虫籠や麹屋で使う「むしこ」に似ているところから呼ばれる格子窓。その機能も採光のためだけでなく、格子窓を土でかぶせているので、隣家からの延焼を防ぎ熱を逃がす防火の効果 があるというものや、背の低い町家の窓を美しく見せる外観デザインなど、がいわれている。

路地(ろうじ)
京都にはたくさんの路地が網の目に、まるで迷路のように走る。応仁の乱後、豊臣秀吉による京の町の整備によって、無数の路地が生まれたといわれている。奥の小さな空き地にある井戸は共同の炊事場で、路地に住む職人とその家族の集会場のようにも利用された。その狭さとほの暗さが、京都という町の雰囲気を作りだしている。